帯状疱疹ワクチン
R5年9月より帯状疱疹ワクチン接種(シングリックス筋肉注射)を始めました。
シングリックス筋注用(一般名:乾燥組換え帯状疱疹ワクチン)はグラクソ・スミスクライン(本社:英国)製で、臨床試験の統合結果により、対象となった全ての年齢層に対し90%を超える有効性が示され米国食品医薬品局(FDA)から50歳以上の成人を対象とした帯状疱疹予防ワクチンとして承認されました。 詳しくは
帯状疱疹とは
帯状疱疹は、水ぼうそうと同じウイルスで起こる皮膚の病気です。
体の左右どちらかの神経に沿って、痛みを伴う赤い斑点と水ぶくれが多数集まって帯状に生じます。
症状の多くは上半身に現れ、顔面、特に目の周りにも現れることがあります。通常、皮膚症状に先行して痛みが生じます。その後皮膚症状が現れると、ピリピリと刺すような痛みとなり、夜も眠れないほど激しい場合があります。
多くの場合、皮膚症状が治ると痛みも消えますが、神経の損傷によってその後も痛みが続くことがあり、これは「帯状疱疹後神経痛(PHN)ピーエイチエヌ」と呼ばれ、最も頻度の高い合併症です。また、帯状疱疹が現れる部位によって、角膜炎、顔面神経麻痺、難聴などの合併症を引き起こすことがあります。加齢、疲労、ストレスなどによる免疫力の低下が発症の原因となることがあります。50歳代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれています。 詳しくは
接種対象者
・50歳以上の方
・帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の方・・・疾病または治療により免疫不全である方、免疫機能が低下した方、または免疫機能が低下する可能性がある方。または上記以外で医師が本剤の接種を認めた方)
ワクチンの種類
帯状疱疹ワクチンには不活化ワクチンと生ワクチンとがありますが、シングリックスは不活化ワクチンです。
不活化ワクチン | 生ワクチン |
病原性をなくした細菌やウイルスの一部を成分としたワクチン | 病原性を弱めた細菌やウイルスそのものを成分としたワクチン |
B型肝炎、肺炎球菌ワクチンなど | MR(麻しん、風しん混合)ワクチンなど |
シングリックスの接種回数
2回の接種でより十分な予防効果が得られる為、2回接種を行います。
接種方法
通常、1回目の接種から2ヵ月の間隔をおいて2回目の接種を行います。
例:1回目の接種が10月10日の場合、2回目接種は12月10日から可能。
予防接種を受けることができない方
■接種当日に発熱(37.5℃以上)している方
■重い急性疾患にかかっている方
■過去にこのワクチンの成分によってアナフィラキシー※を起こしたことがある方
■その他、医師が予防接種を受けることが不適当と診断した方
※通常接種後30分以内に出現する呼吸困難や全身性のじんましんを伴う重いアレルギー反応のこと
予防接種を受ける前に医師への相談が必要な方
□心臓血管系・腎臓・肝臓・血液などの基礎疾患がある方
□予防接種で接種後2日以内に発熱をみられた方、全身性発疹などのアレルギーを疑う症状がみられた方
□このワクチン成分に対して、アレルギー反応を起こす恐れのある方
□過去にけいれんを起こしたことのある方
□過去に免疫不全と診断された方、近親者に先天性免疫不全症の方がいる方
□血小板が少ない方や出血しやすい方
□妊婦または妊娠している可能性がある方。授乳中の方
□最近1ヵ月以内に予防接種を受けた方
シングリックス接種後の注意点
①接種後30分程度はクリニックで安静をお願いしております。
②接種後当日は激しい運動を避け、注射部位を清潔に保ってください。接種当日は入浴可。
③注射部位の異常な反応や体調の変化を感じた場合は、すぐに医師の診察を受けてください。
④シングリックスの接種により健康被害が発生した場合には「医薬品副作用被害救済制度」により治療費等が支給される場合があります。詳しくは独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページをご覧ください。
シングリックスの主な副反応
注射した部位 |
痛み [78%] |
赤み [38%] |
腫れ [26%] |
注射した部位以外 |
筋肉痛 [40%] |
疲労 [39%] |
頭痛 [33%] |
悪寒 [24%] |
発熱 [18%] |
胃腸症状 [13%] |
その他ご不明な点がございましたら医師に相談お願いします。